Pacific Power 料金支援、AIが3万7000世帯を特定
オレゴン州のPacific Powerの料金支援キャンペーンは、BidgelyのAI分析に導かれ、低所得者向け割引プログラムの対象になりうる約3万7000世帯を新たに特定し、約9,000件の新規加入につながったと、同社が2026年10月27日に発表しました。この取り組みは2026年のAEIC功績賞を受けました。割引やリベートのプログラムを運営する企業にとっては、顧客データが、対象になる可能性の高い人への働きかけを導けること、そして資格の判断は人が行うことを示す事例です。
対象の顧客が割引を受けそびれていた理由
Pacific Powerには、対象となるオレゴン州の顧客の多くが利用していない割引プログラムがありました。同社のオレゴン州低所得者向け割引プログラムは、世帯人数で調整した州の所得中央値の60%以下の顧客に対し、料金を20%から80%引き下げます。ただし、割引は、それを知って申し込んだ世帯にしか役立たないため、同社は、対象になりうる顧客を見つけて直接連絡しようと考えました。
Pacific Powerは、オレゴン、ワシントン、カリフォルニアの各州で80万を超える顧客にサービスを提供しており、PacifiCorpの一部です。
Pacific Powerが対象者を探すのに使ったもの
同社は、BidgelyのUtilityAIを搭載したAnalytics Workbenchを使いました。これにより、Pacific Powerは国勢調査の情報、顧客データ、世帯のエネルギー使用量、連絡方法の希望を調べ、割引の対象になりうる約3万7000世帯を新たに特定しました。カリフォルニア州ロスアルトスに本社を置くBidgelyは、これらを隠れた対象世帯と呼んでいます。
AIが導いたのは資格ではなく働きかけ
分析が決めたのは、誰に連絡するかであり、誰が資格を持つかではありません。Pacific Powerは、AIを使った作業は、顧客への働きかけの参考にしただけだと述べています。申し込むかどうかは顧客が選び、すべての申請はプログラムの確立した手続きを通り、顧客情報は同社の既存のプライバシーポリシーの下で扱われました。
キャンペーンのデータは、人々がどこで離脱するかも示しました。申請を始めて最後まで終えない顧客がいたため、Pacific Powerは、申請者に、始める前にアカウント番号と所得の情報を用意するよう促すメッセージに変えました。
「技術が最も価値を持つのは、顧客の本当の問題の解決に役立つときです。」 バーバラ・モディ氏、Pacific Powerの顧客満足度市場調査マネージャー
働きかけが達成したこと
同社によると、この取り組みは、低所得者向け割引プログラムへの約9,000件の追加の加入につながりました。2025年から2026年にかけて、加入者は約6万9000人から7万8000人に増えました。J.D. Powerの電力会社住宅顧客満足度調査では、Pacific Powerの支援プログラムの認知度が10%上がり、プログラム参加者の満足度は約90%で変わりませんでした。
この取り組みにより、Pacific Powerは、エジソン照明会社協会(AEIC)の2026年の功績賞を受け、2026年10月27日に発表されました。
Pacific Powerの料金支援の事例が電力会社とサービス企業に意味すること
電力会社にとっての価値は、狙いを絞ることにあります。同社はデータが示した世帯に働きかけを集中し、キャンペーンの結果を使って、申請者が行き詰まっていた段階を直しました。顧客体験・イノベーション担当バイスプレジデントのジェームズ・オーウェン氏は、適切な顧客に適切なメッセージを届けることは、働きかけの資源の賢明な使い方だと述べました。
同じ方法は、顧客が申し込まなければならない給付、割引、リベートのプログラムを運営する企業に当てはまります。保険会社、通信事業者、銀行、公共機関などです。利用状況とアカウントのデータで、誰が対象になりそうかを示し、正式な資格の確認は既存の手続きに残せます。Pacific Powerが説明する安全策、つまり人が運営する申請手続きと既存のプライバシー規則は、ほかの企業が真似る必要のある部分です。
よくある質問
Pacific Powerは対象の顧客を見つけるのにAIをどう使いましたか。
BidgelyのUtilityAIを搭載したAnalytics Workbenchを使い、国勢調査の情報、顧客データ、世帯のエネルギー使用量、連絡方法の希望を調べました。分析により、オレゴン州の低所得者向け割引プログラムの対象になりうる約3万7000世帯を新たに特定しました。
AIが割引を受ける人を決めたのですか。
いいえ。Pacific Powerによると、分析は働きかけの参考にしただけです。申し込むかどうかは顧客が選び、申請はプログラムの確立した手続きを通りました。
その結果、何人の顧客が加入しましたか。
この取り組みは約9,000件の追加の加入につながり、2025年から2026年にかけて、加入者の総数は約6万9000人から7万8000人に増えました。
MOZGIIの視点
私たちならこう作ります
割引の対象なのに申し込んでいない人を見つけることは、電力会社でのAIの最初の仕事としてよい選択です。判断は人と既存の規則に残り、モデルは誰に先に連絡するかを順位づけるだけです。
このようなプログラムでは、電力会社がすでに持つデータから始めます。請求履歴、支払いの傾向、季節ごとのエネルギー使用量、過去の支援、各顧客が好む連絡方法です。それを地域単位の公開の国勢調査データと結びつけます。モデルは各世帯が対象になる可能性を点数にし、働きかけのチームは予算に応じて、リストのどこまで連絡するかを決めます。プログラム管理者は毎月、印の付いた世帯の標本を確認し、点数が妥当であること、取りこぼされたり特定の集団だけが狙われたりしていないことを確かめます。
弱点はメッセージの後の段階です。狙いがよい手紙でも、申請が長かったり、手元にない書類を求めたり、オンラインで時間切れになったりすれば、何も起こりません。この事例で離脱のデータが、狙いの絞り込みと同じくらい重要なのはそのためです。
注視する指標は1つ、連絡した世帯あたりの完了した加入数を、働きかけの手段別に見ることです。次に、電力会社がすでに知っていることを使った、事前入力済みの短い申請書を作ります。途中でやめる人を減らすためです。
出典
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