手術支援ロボットVersius PlusがFDA認可、CMRが2026年に米国へ
英CMR Surgicalの手術支援ロボット「Versius Plus」が2025年12月、FDAの510(k)認可を取得し、第2世代のこのロボットで米国でも胆のう摘出術を行えるようになりました。英ケンブリッジに本社を置く同社によると、同社のロボットは米国外で4万件を超える手術を行っており、2026年に米国での発売を始める計画です。病院に向けては、専用の手術室なしでロボット手術を導入でき、利用状況や症例数をリアルタイムのダッシュボードで追えるロボットとして売り込んでいます。
CMR Surgicalが米国で新たな認可を必要とした理由
CMR Surgicalの課題は、米国で得た足がかりを本格的な事業に育てることでした。第1世代のロボット「Versius」は、2024年10月にデノボ経路でFDAの販売認可を受けています。2025年4月には、Versiusの商業化を支えるため2億ドルを超える資金を調達しました。
同社によると、同社の軟部組織向けプラットフォームは、市場首位のインテュイティブサージカルに次いで世界で2番目に多く使われているロボットシステムです。米国では首位企業のシステムをすでに知る病院を奪い合うことになるため、認可済みの適応を持つ新しいロボットが次の一手でした。
FDAがVersius Plusに認めた内容
FDAはVersius Plusに対し、胆のうを取り除く胆のう摘出術で510(k)認可を与えました。Versius PlusはCMRの第2世代の手術支援ロボットです。
CMRによると、改良版のVersiusはさまざまな軟部組織の手術に対応でき、米国でも適応の追加を目指します。いまのところ、新しいロボットの米国での適応は胆のう摘出術だけです。
Versius Plusは病院の日常でどう使われるのか
CMRは、病院がすでに持つ部屋に収まるようにこのロボットを設計しました。同社によると、小型でモジュール式の設計により、Versius Plusは診療科や手術室の間を移動でき、専用の手術室を必要としません。そのため病院は同じ場所でロボット手術とロボットを使わない手術を切り替えられます。CMRのウェブサイトでは、Versiusの導入に病院の扉や床、天井を改修する必要はないとしています。
外科医は患者や自分の手技に合わせて、ポートの位置を柔軟に選べます。開放型のコンソールで、外科医とほかのチームメンバーが意思疎通しやすくなっています。一体型の蛍光可視化システム「vLimeLite」は、オーバーレイやグレースケールの表示を選べるリアルタイムのICG画像を提供します。
Versius ConnectとVersius Teamでロボット手術の運用を追う仕組み
データの仕組みも製品の一部です。Versius Connectは外科医専用のアプリで、手術の記録をほぼリアルタイムで残せます。Versius Teamは手術チームと病院向けのリアルタイムのダッシュボードで、利用状況、症例数、システムの効率を追跡します。CMRはこれがロボット手術の運用の最適化に役立つとしています。
「今回の認可は、Versius Plusを米国市場に投入するCMR Surgicalにとって、わくわくする新たな章の始まりです」 マッシミリアーノ・コレッラ氏、CMR Surgical CEO
CMRのロボットのこれまでの実績
数字で示された実績は米国外のものです。CMRによると、同社のロボットでは米国外で、複数の診療科や医療現場にわたり4万件を超える手術が行われています。
同社は、米国各地の外科医から新しいロボットに強い関心が寄せられているとも述べています。ただし発表では、Versius Plusの米国での症例数、価格、稼働データは示しておらず、世界で2番目に多く使われているという説明も同社自身の主張です。
ロボット手術を計画する病院にとっての変化
病院にとって、Versius Plusが狙うのは、1台の機械のために部屋を作ることなくロボット手術の能力を増やすことです。手術室の間を移動でき、ロボットを使わない手術と場所を共有できるロボットなら、病院は胆のう摘出術から始め、適応が増えるにつれて術式を加えていけます。
ダッシュボードは二つめの課題に応えます。ロボットがその場所に見合う働きをしているかを知ることです。利用状況、症例数、システムの効率は、病院がロボット手術の運用を判断するために必要な数字で、Versius Teamはそれをリアルタイムで示します。CMRは認可に合わせてコストや時間の削減効果を示していないため、病院はそれを自ら測る必要があります。
供給元の選択肢は広がっています。2025年12月にはこれに先立ち、メドトロニックが泌尿器科の手術向けに「Hugo」でFDA認可を取得し、SS Innovationsは手術支援ロボット「SSi Mantra」の510(k)申請をFDAに提出しました。
よくある質問
Versius Plusは米国で何に認可されていますか
Versius Plusは、胆のうを手術で取り除く胆のう摘出術でFDAの510(k)認可を受けています。CMRは米国で適応の追加を目指すとしています。
Versius Plusはいつ米国の病院で使えるようになりますか
CMRによると、2026年に米国でVersius Plusの商業化を始める計画は予定どおり進んでいます。より具体的な時期は明らかにしていません。
米国の軟部組織向け手術ロボットでCMR Surgicalと競合するのはどこですか
市場首位はインテュイティブサージカルです。メドトロニックは2025年12月に泌尿器科で「Hugo」のFDA認可を取得し、SS Innovationsは「SSi Mantra」の510(k)認可を申請しています。
MOZGIIの視点
私たちならこう作ります
医療でロボットが最も役立つのは、病院の患者数が手術室や外科医の数を上回る場面です。胆のう摘出術のような定型の軟部組織手術は、チームが週に何度も繰り返し、安定した手技と記録の積み重ねが成果につながります。部屋を移動できるロボットは、専用の手術室を必要とするロボットよりこうした仕事に向いており、CMRが説明する手術記録とダッシュボードこそ、長く残る価値の大半が生まれる場所になるでしょう。
Versius Plusのようなロボットを中心に運用の仕組みを作るなら、私たちは各手術がすでに生み出している症例記録から始めるでしょう。開始と終了の時刻、部屋、チーム、器具、開腹手術への切り替えの有無です。これを手術室の予定表と結びつけ、管理者が朝のうちに、どの症例がロボットを待ち、どの部屋が空いていたかを見られるようにします。小さなモデルが外科の責任者向けに週次のまとめの下書きを作り、チームの外の誰かが見る前に責任者が手直しする形になるでしょう。
崩れるのは記録が食い違うところです。ロボットの記録、予定管理のシステム、請求のシステムは、同じ症例を別々に数えることがよくあります。私たちなら、グラフを作る前に「完了した症例」の定義をひとつに決めるでしょう。注目する指標はひとつ、ロボット1台あたりの週間ロボット手術件数です。予約の入らない共用ロボットは、高価な台車にすぎないからです。
次の段階では、新しい適応が認可されるたびに、どの術式をロボットに移すべきかを提案する計画ツールを作るでしょう。
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